まな板の上の鯉とはよく言ったもので、
半泣きでサインをした後、気づけば手術台の上で仰向けになっていた。
手首の動脈から、直径2ミリの細い管(カテーテル)を心臓まで通すらしい。
局所麻酔のおかげで、痛みはなかった。
■カテーテル検査(経皮的冠動脈形成術)とは・・・手首や足の付け根の血管から、直径2ミリほどの細い管(カテーテル)を心臓まで進め、造影剤を注入して血管の詰まりや心臓の動きを調べる検査。更に狭窄部位が見つかればその場でステントを入れて治療する。(参考:国立循環器病研究センターのページへ)
ただ、天井のライトを見上げていると、
手首のあたりにじんわりとした温かさを感じていた。
まるで、ぬるま湯をかけられているような感覚。
麻酔の薬か何かだと思っていた。
だが検査後、自分の手首を見て血の気が引いた。
そこには、拭き取られた大量の血の跡があった。
あのぬるま湯は、噴き出した自分の血だった。
知らないほうが幸せなことは、確実にある。
ちなみに、万が一に備えて足の付け根からも管を通せるよう、
手術台の上で唐突に下の毛をバリカンで剃られた。
恐怖と無様さの極みだった。

